すもももももも

新規ブイオタが取り留めもなく語りたいことを語るブログ。

私がV6を好きな10のところ<2. Coming Centuryと20th Century>

2. Coming Centuryと20th Century

V6を語る上で更に外せないのが、グループ内ユニットです。
それは、年上組の坂本・長野・井ノ原から成る「20th Century(通称 トニセン)」と、年下組の森田・三宅・岡田から成る「Coming Century(通称 カミセン)」です。
このグループ内ユニットは、唯のグループ内ユニットではありません。
楽曲数はトニセンが38曲、カミセンが43曲存在し、また、ジャニーズで唯一それぞれが単独でアルバムをリリースし、コンサートを行っています。

年齢差から全く異なるテイストを持つトニセンとカミセン。

つまり、V6を追っかけていると、更にトニセンとカミセンを味わうことになり、まさに「1粒で3度おいしい」なんとも贅沢なグループなのです!

 

2-1. 全く異なるjr.時代

ベテランお兄ちゃんのイメージのトニセンと、やんちゃ悪ガキ少年イメージのカミセン。
そのグループイメージの違いが生まれる背景には、年齢差もさることながら、全く異なるJr.時代を過ごしていたことも起因しているのではないかと考えています。

 カミセンの最年少の岡田くんは、「元気が出るテレビ」出身で、オーディション合格からデビューまで僅か7ヶ月と、今なお破られない最短Jr期間記録を持っています。
テレビや雑誌などではこの事がよく取り上げられ、何も知らない中学生のデビュー後の苦労にフォーカスが当てられますが、かつてJr.で絶大な人気を誇った森田くんと三宅くんも、それぞれ2年程度のJr期間しかありません。
実は主なジャニーズタレント総勢88名をJr期間長い順に並べると、カミセンは全員下から10位以内に入ります。
つまり、カミセンはアイドルとしてエリート中のエリートなのです。 

一方、トニセンは対照的にJr期間が長い方。
現在はトニセンよりもJr期間が長い後輩が沢山いますが、トニセンのJr時代は20代でデビューできなければアイドルとしてはやっていけないと言われた時代。
その時代に、坂本長野は20代でデビューとかなりのベテランでした。
それまでの間、将来と夢との狭間で悩み苦しんだり、坂本長野の2人は一度事務所を離れたり、苦労話も多くあります。

(トニセンJr時代の詳しいエピソードは以下の「長野博Jr.時代(1)〜(15)を参照ください。長野くんファンの方のブログですが、坂本くん・井ノ原くんのJr時代も共に掲載されております。涙なしでは読めない。)

 

つまり、

"独自の視点のアイドルを追求するカミセンと、ジャニーズの伝統を色濃く受け継ぐトニセン

と、全く異なる2つのグループですので、

V6の中にグループ内ユニットがある」

というよりは

「2つの異なるグループが合わさってV6を形成している」

と考える方が妥当かもしれません。
この明らかなテイストの違いは、それぞれで行ったコンサートによく表れています。同じ年にトニセンコンサート、カミセンコンサートを行ったDVDがあるので、そちらを御覧ください。

 

2-2. それぞれが唄うストーリー

2-2-1. グループ毎のニュアンス

 カミセンとトニセンでアイドル面の背景が異なると話しましたが、やはりこの2つのグループの一番顕著で明確な違いは年齢差と歌声だと思います。

 年下であり、声が高い2人がいるために「尖りながら世間での居場所を探す少年性」を醸すカミセン。
 年上であり、かつ声が低い2人がいることで「何かを守りながら苦悩して生きていく大人」を醸すトニセン。

この醸し出すキャラクターの違いが、それぞれがリリースする楽曲のテイストの違いを生み出していると思います。
また、異なる2つのテイストを内包するV6としても、このテイストの違いが一つの楽曲の中で化学反応を起こしており、とても面白いのです。

太陽の当たる場所(1999714日発売)

デビューして約4年後、カミセンが平均して20歳、トニセンが平均して26歳の時の楽曲です。
この楽曲は、Aメロは殆ど坂本くんの低音の渋いラップが占めています。
低音ラップで紡がれるのは、社会からドロップアウトした現状に対する葛藤。

毎日が過ぎてく 流れるまま
同じ道を歩きたくない わがまま
丸くなるには まだ早い少し
けど勇気無し それじゃフリダシ

しかし、Cメロで爆発したのは、子供の頃の思い描いていた大人への憧憬と、胸中で今もなお燃えている情熱。

いつも はだしのまま走り続けた
砂けむりまじり 陽射しあびながら
早く大人になりたいと夢見てた
笑い絶えず 振り返らずに

この部分を歌うカミセンの歌声は、若さも相まって未来への希望と必死に足掻くエネルギーがこれでもか!と詰め込まれていて。
まさに私達ファンが想像する、

トニセンのグループの兄組として年下を守りながら社会を生き抜かなければならない葛藤

カミセンの"大人の社会で必死にこれから生き抜こうとしている少年の情熱"が、楽曲に重なって見えます。

大人と子供の対比で、楽曲全体が煌めいて見えるのです。

 

2-2-2. トニセンからカミセンへ向けた詩~「over」制作秘話~

20156月、非公式のファンの投票による「V6楽曲大賞」が行われました。
こちらは毎年「ジャニーズ楽曲大賞」を行っている団体が、V6のアニバイヤーに合わせて行ったものです。
ファンの人気曲が分かるこの非公式イベントで、シングル、カップリング、アルバム曲全ての楽曲の中で投票1位を取った楽曲は「over19981111日発売)」でした。

それも断トツで。

このoverは、美しいメロディラインと将来への希望を描く歌詞が合わさった、等身大の応援歌です。
一度は歌詞をじっくり読んで欲しい。

しかし、ファンから断トツの人気を誇る理由は、その背景にも起因しているのではと考えています。
実は、この楽曲はカミセンが主役のテレビドラマ「PU-PU-PU-(1998109日~128)」の主題歌であり、加えて作詞を「20th Century」が担っています。
V6というアイドルの楽曲でありながら、アイドルでは当たり前の誰かの物語を歌うのではなく、実際のトニセンからカミセンへの想いや希望、そして彼らの苦悩が詰められているように感じられる曲なのです。

もっと素直に受け止められたら 遠回りしなかったけど
君と出会えたことの喜びを 信じて続けていたい Wow

私達ファンが知ることができない、グループとしての葛藤を描いているのではないか、と思わず重ねてしまいます。
また、歌詞のところどころに

「果てしない夢を描こう」「歩き始めよう」「自分を信じていこう」

と寄り添って共に歩いて行くかのような言葉が散りばめられているのも、兄組が弟組へ向ける、同じアイドルとして進んでいく覚悟と優しさを感じます。