すもももももも

新規ブイオタが取り留めもなく語りたいことを語るブログ。

Broadway Musical 『ON THE TOWN』 -第1幕- ※ネタバレ

観劇した方々の感想が「素晴らしかった!」で埋め尽くされた、初日。
そして、私にとって初めての「ON THE TOWN」観劇日は、朝からずっと浮かれていました。

表参道駅から降りて一直線。
徒歩でおよそ5分ほど歩くと、青山劇場を象徴する像が見えてきます。
そして、その奥。
正面入口には噂のON THE TOWNのゲートが、夕暮れ時のほのかに暗い光のなかで、ライトに照らされて優しく観客を迎えていました。

(※写真の撮影日時はバラバラです)

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恥ずかしながら、青山劇場で観劇するのは今回が初めて。
長いこと愛され続けた劇場に入れる喜び。
ファンになってから初めての自担の現場の喜び。
そして、ミュージカルの原点とも言われる「ON THE TOWN」を観劇できる喜び。

止めることの出来ないとてつもない喜びが体の奥底から沸き上がっていました。

 

私はこのON THE TOWNを計4回観劇しています。
日程は以下のとおり。
9/30 夜公演    10/9 夜公演
10/12  昼公演    10/13 昼公演

 

4回の観劇を通して本当に様々な席から観劇させて頂きました。
XA列という、本当に今までにない程に間近で観劇させていただいたり、
時には2階席C列から観劇したり。
間近で観劇した時は舞台の臨場感と役者のリアルなパワーにこれほどか!というほど巻き込まれ唖然とし、
一方2階席から観劇した時には舞台全体の美しさ、客席全体へ届けるエネルギーに背筋が痺れました。

何回観劇しても、どの席でも、常に多幸感で一杯にさせてくれる、素晴らしいステキなミュージカル。
最終的には「ON THE TOWNカンパニー」そのものが大好きで愛おしくなりました。
そして、カンパニーも観客も全て包み込み、迎え入れてくれる青山劇場にも...。

 

 また、9日、12日、13日ではそれぞれいろいろなことがあったので、そのレポは「カーテンコール」の方で掲載します。
ではまず、本編から...。

-----------------------------------以下ネタバレ----------------------------------------

開始5分前になると、アナウンスが流れると共に彩り豊かな音楽が流れ始めます。
パンフレットによると、東京フィルの生音源とのこと。
イメージとしては東京ディズニーシーアメリカンウォーターフロントのパークBGMかな。
書きながら調べたら、アメリカンウォーターフロントは20世紀初頭のアメリカでOTTは1940年代のアメリカとのこと。
そりゃ、イメージが似るはず(笑)

バーンスタインのメロディと東京フィルの豊かな音色に聴き惚れていると、次第に客電が暗くなり、赤の緞帳がライトアップされ浮き出てくる。
さっきまでワインレッド色だった緞帳が真っ赤になると、一気にショーの始まり。
非日常の世界への誘いを感じ、初日は早々に息を呑みました。
既に圧倒されていたんでしょうね。
そして、下から上へ幕が開くと、私達観客は一気に2014年の日本から1940年代のアメリカへタイムスリップしたのです。

 

冒頭は夜明け前の微睡みの時間。
女の腕に抱かれて、恋人同士の別れを惜しむ時間。
「今何時?」「もう少しで6時だよ!」
「今何時か分かるか?」「後3分で6時だ。」

歌の間に挟み込まれる、港で働く男の会話がより一層期待と緊張を与えてくるのです。
既に心臓ははちきれそう。

「なぁ、今何時だ?」「...6時だ!」
船の汽笛の音と共に、女と別れ船へ戻っていく水兵と船から駆け下りてくる水兵たち。

背の高い3人組が最後に駆け下りてきた!
中央に並ぶ3人。
真っ白なスポットが照らされて。

「「「New York, New York! やっと来たんだ〜!」」」

感極まって涙目になってしまう私。
生まれて初めてこの目で生で見た20th Centuryは、ゲイビー、チップ、オジーとして。
舞台中央で輝いていました。

 

初めて生でトニセンを見た感想は、

「坂本さん、腰の位置おかしい。足長すぎ」
「いのっちうすっぺらすぎ!!」
「長野くん、人間かな...?美形すぎ...。」

語彙力乏しくてすみません(笑)
でも、初めて見た時の感想はそれが脳内をずっと占拠してしまっていたほどの衝撃でした。


地下鉄の「6月のミス・サブウェイ」だったアイビィのポスターに、一目惚れしたゲイビー。
あまり自信なさげなゲイビーに、チップとオジーが女の口説き方を説明しはじめます。
この時、お調子者のオジーが最初に街中の女の子の集団にナンパしに行くのですが、残されたゲイビーとチップが
「やれやれ...」
という感じで顔を見合わせ。
そして、オジーにつづいてチップまで女の子を口説きに行ってしまい、
「お、おい!」
と焦った表情ののち、諦めの表情になるゲイビーに気付いて一人で萌える坂長担。
その後、ゲイビーの方へ女性陣がが進んでいく時、後ろにいたチップとオジーは肩を組み、そしてチップは腰を強くオジーの方へぶつけまくってました(笑)
それだけでなく、この曲はアンサンブルの女性陣の衣装が長いスカートにビビットな彩色でとても華やかなのです。
また、トニそれぞれの左右に女の子達が腕を組んで、一歩ずつ歩み
「ゲイビーが来た〜♪」
と歌うときのゲイビーの女の子に対するデレデレな表情がまた可愛くて!
一方チップとオジーは真面目な顔、特にチップは眉根を寄せた真面目な表情でこれもまた対照的で非常に可愛かったです。
しかしそれよりも!
曲の最後の女性陣のゲイビー達への投げキッスが、力強くてセクシーで!
観客の私の心臓をも貫いていきました。

そして、「6月のミス・サブウェイってどんなやつだと思う?」
と尋ねられ、
「そうだなぁ...。6月のミス・サブウェイって子だと思うっ!」
と語る夢見る表情のゲイビーが非常に可愛かったのですが、それを全く聞いてないチップとオジーが、昔ながらの幼馴染3人組でまるで長いこと付き合ってきたトニセンの関係性とすこし重なって見えて微笑ましかったり。

 

ここで、ミス・サブウェイの説明の曲が始まると共に、アイビィ役の真飛さんを初めて見ました。
手足が驚異的な長さと細さを誇っていて、ミニスカートと赤がとても似合うこと!
このアイビィのメイン曲では、小さく声を出しながらとても楽しそうに舞い踊っていらっしゃって、さすが元宝塚のスター。
とても華やかで美しかったのです。
そして、最も間近の席の時には、アイビィの趣味性格を説明する部分で、「家庭的」を表現するために男性のジャケットを受け取るシーンがあるのですが、この男性がジャケットを受け取ったアイビィへマイクに乗らない小さな声で「ありがと」と言っていたのがとても印象的でした。

そして、タクシーと共に運転席でふんぞり返って寝ているヒルディ役のシルビアさん登場となります!
ヒルディは鼻筋が本当にしゅっと通っていて、出だしから姉御の空気が出ていて格好いいこと!!
そしてチップを車に引き込んでからの強引なキス!
生まれて初めて自担のキスシーンを生で見ました。
この時はまだ、チップは嫌々なのでキスシーンで思いっきり目と眉をぎゅーってしかめる長野くんが可愛くて可愛くて。
そして、タクシーのシーンは長野くん担的に一番ひやひやするシーンでもありました(笑)
長野くんの得意な音域より全体的に低めなのと、早口で台詞を言わなくてはいけないのと、シルビアさんがめちゃめちゃ歌が上手すぎるのと。
しかし回を追う毎に慣れ、自分のものにしたチップの歌声は私にとって最高でした!
少しハスキーなハニーボイスで歌い上げたこの曲のラスト。
「きて!」    「きて!」   「きてーーーー!!」
    「どこか!」   「違う!」  「場所へー!」
この、私の最終日に聞いた、最後の「場所へー!」と歌い上げる長野くんの声が、大好きで大好きで。
脳にずっと焼き付いています。

 

場所は変わって博物館へ。
セットチェンジして一番に目につくのは大きな恐竜の骨格標本なのですが、その次に隣に置いてある古代人のパネルに客席から忍び笑いが...。(笑)
これ、いのっちが古代人の衣装を着て写真を撮影したパネルなんですよね。
そして、クレア役の樹里さんの登場です。
樹里さんもとても手足が細く長いのですが、なんといっても赤メガネが凄く似合っていて、そしてメガネのフレームを持つ黒のレース手袋に包まれた指!
クレアがメガネを外す時は、学者としてのたがが外れる時なので、そのかわいいセクシーさも相まって非常に萌えるのです!
そして、このクレアとオジーのシーンは終始面白く笑いしか起きませんでした。
古代人にそっくり!と感動してオジーの体の採寸を取ったクレアが、オジーにお尻を向けた時「わぁお♡」と反応するオジーや、そのお尻を「ニューヨーク、ニューヨーク♪」と歌いながらオジーが測って抱きつくシーン、更にはそんなオジーに対して「みだりに繁殖しない!」と怒るクレアなどなど(笑)
そんな2人の歌う曲がまた、
「夢中に〜なってしまうの〜♪」
という曲だからもう、笑うしかないのです。
しかもこの曲は何回もrepriseで歌うので、初回と2回目観劇後にはこの曲が脳内にこびりついて、他の曲を思い出せなくてもどかしい経験をしました(笑)
更に、この曲を歌ういのっちの低くちょっと掠れた熱い歌声がこれがまた「夢中」感を増々にしていて。

そして、いのっちのキスシーンも初めて生で見ましたが、初めてのキスシーンがどちらも女性からというのがなんとも(笑)
なかなか珍しいシーンなので、眼福でした♡
また、この曲では樹里さんが一番高いソプラノトーンを歌い上げるのが圧巻でした。
あんな細い体のどこからこの声が出てくるのか。

 

このようにして今夜の相手をゲットしたチップとオジーに対して、未だにミス・サブウェイが見つからないゲイビー。
そう、とうとう坂本くんの生の歌声をこの耳で聞く時が来たのです。
自然と手元のハンカチをより強く握りしめ始める私。
噂はかねてから聞いてましたし、コンサート映像でその実力は感じているつもりでした。
正直、想像以上でした。
劇団四季の方も多いアンサンブルの方々の圧巻なハーモニーの中でも、自身の歌声を高らかに会場に響かせていて。
特に13日の昼公演の回では、直前のクレアとオジーのシーンでオジーの歌詞が飛んでしまったというハプニングも合ったためなのか、今までに聞いたことのない程会場全体を震わせる坂本くんの歌声を聞きました。
一人中央でスポットを浴びるのが似合うこと!
スポットの下で歌いあげるのが体の底から嬉しそうで。
坂本くんは本当にミュージカルが好きなんだな、と。
そして、こんな人がアイドルで、しかもグループのリーダーだなんて。
改めてものすごいグループを好きになってしまったのだと、そして坂本くんのミュージカルの歌声を生で聞けたことが、とてもとても嬉しかったのです。

坂本くんの歌のシーンの直後では夕暮れ時の恋人との別れを描くために、アンサンブルの方々は男女ペアになってバレエを踊ります。
トウシューズに履き替えたアンサンブルの方々は、華やかにスカートを舞わせ、しなやかに体をくねらせ。
濃密な愛と切ない別れを描くこのシーンはこんな言葉では表現が足りないほど、圧巻でした。

カーネギーホールでのシーンの見どころはやはり、マダム・ディリーとアイビィをデートに誘うゲイビーでしょう!
ウィスキーを片手に歌の指導をするマダム・ディリーは、いろいろ名言を残していますしね。
レッスン中のアイビィに向けての
「筋肉で包み込むのよ!横 隔 膜 ! !」や
ゲイビーにデートに誘われて浮かれているアイビィに対しての
「恋愛とセックスを一緒にしていいなら、私はとっくにもうスターになってたわ!」
などなど。
また、ゲイビーがレッスン室へやって来た時に、若い子とのデートへ出かけようとするマダムとゲイビーがぶつかってしまった時の

「どこ見てんのよ!」

は最初、アドリブだと思っていました。それほど個性的なキャラクターだったのです(笑)

その一方で、とても可愛いのがゲイビーがアイビィをデートに最初に誘うところ。
チップとオジーのアドバイス(ゲイビーのお通りだ)を思い出し、無駄に気合が入ってアメコミのヒーローのようなしゃべり方になるゲイビーが可愛くて(笑)
「俺はゲイビー。水兵一熱い男さ!今日は一日、時間がある!格好いい男にはステキな女性が必要だ!
...君のようにね。(キラーン)僕と一緒にNYの街に行かないか?トゥッ!」

その一方で、冷静なアイビィの冷たい目線が対照的で...。(笑)
盛大にから回って、落ち込んでしまうゲイビーのシーン。
私のお気に入りのシーンの一つです。
また、マダムとアイビィの歌のレッスンのシーン。
隣のバレエスクールの生徒が途中からアイビィと一緒に踊るのですが、音楽に乗せて次第に踊り始めたバレエの動きが手の先まで美しくて惚れ惚れ。
曲が盛り上がると、その動きもパワフルになり、ダンスで背筋が痺れました。

 

お部屋のセットが2つ登場し、舞台の左側ではオジーとクレアのシーンが始まります。
婚約者のピットキンの登場に、ちっちゃくなってしまうオジーがとても可愛いく、またもや「夢中になるの♪」のrepriseが流れ、脳に焼き付いていたのですが、その一方で、ステージ右側のもう一つのセットが気になりまくる長野担。

そしてその読み通り、右側ではチップとヒルディのシーンのためのセットでした...!

 

このチップとヒルディの部屋のシーンは、私は劇中一大好きです!
「ミス・サブウェイ探しをしなくちゃ!」状態だったチップなのに、電話で地下鉄事務局が相手にしてくれなかった故に、
「あなたは頑張ったわ、チップちゃ〜ん♡」
というヒルディの誘いに
「...そうだよねぇ。頑張ったよねぇ?」「(電話は)後で、かけ直す( ー`дー´)キリッ」
と容易に心変わりした瞬間のチップがすごく人間臭くて大好きなのです♡
そして!
ルーシーが見ていない隙をついて、雪崩込もうとキスするも失敗を繰り返すもんだから、ここではチップからヒルディへのキスが何回も!!
しかし、舞台に対してチップはまるっきり後頭部なので、ちゃんとキスシーンが見えない...。
ルーシーを外へ追いやった後、始まるヒルディの歌がこれがまた格好良くて大好きです。
メゾソプラノな格好いい歌声でチップを翻弄します。
それに対し、翻弄されるチップもまた可愛くて可愛くて!
ヒルディの右手を取って手の甲にキスを3回もしたかと思えば、腕を唇でなぞったり。
ソファでクッションをニコニコと抱きしめながら、ヒルディにメロメロだったり。
ヒルディのお尻に釘付けになったり。
ヒルディの魅力にノックダウンしちゃって、ソファから転げ落ちて床の上で幸せそうに悶たり。
しまいには、四つん這いで下がっていくチップの顎下を指先で掬いあげてチップを立たせて!
くるりとチップに背を向けたヒルディを背後から抱きしめて。
ヒルディに虜になってしまったチップが、普段長野くんには感じられない”雄”感満載で!
とてもとっっってもステキでした!

ソファに寝転がったチップがバナナをとある場所に当てていて、バナナをぽーんと投げ捨てたチップの胸にヒルディが突進していったときは
「ちょwww」
と動揺しながら興奮しましたが、赤くなった照明の下で密かにキスを交わす2人ははっきりと横顔が映っていて、鼻筋が通っている美形な2人だけに非常に絵になるステキなシーンでした。
更に最後の最後で、ソファで寝転がったチップが手足を広げて
「おいで!」
と呼んだその胸に、再度ヒルディが飛び込んでいくのに、可愛さが飽和量を越えて胸が苦しかったです。

 

そして間を置かずにゲイビーの歌へ。
この怒涛の展開は心臓にとても良くなかった!
だって、ゲイビーがアイビィをデートに誘えたことをすごくすごく嬉しそうに歌うんだもの。
ここでも、圧巻の坂本くんの歌声が会場中に響き渡って。
アンサンブルの方々のハーモニーが本当に美しくて。

「他の誰かじゃなくて、自分でいてよかった。」

余りにも嬉しそうに歌うものだから、歌声に包み込まれて私まで夢見心地。
ゲイビーを演じるのが坂本くんで本当によかったと、幸せに包まれました。

だからこそ、結局アイビィが待ち合わせに来なかった時についたゲイビーの嘘が痛々しくて。
けども、切なさを抱えながらも一生懸命NYを楽しむ5人のダンスパートは可愛さが満載で。
まずはチップとヒルディ、オジーとクレアがそれぞれ腕を組み、そして女性陣が両側からゲイビーの腕を組んで。
その状態で、腰を使いながら、腰から脚を一歩ずつ大きく前に出して舞台奥から手前へやってくるダンスがとっっても好きでした!

他には、可愛い女の子を見つけて、水兵さんの団体全員でその女の子を目で追っかけるところとか!
ゲイビーとオジーはどの回でもニヤニヤして見てたのですが、最初の頃は真顔だったチプが、最後の方の回ではやらしー目で一緒にニヤニヤして見てたのが本当に好きで!
長野くんの中で余裕が出てきたのかな?という嬉しさと、長野くんの雄を感じれる部分が本当に好きだということを感じています(笑)
その次には、様々な場所でいろんなポーズをして写真を撮っているシーン。
沢山いろんなポーズを取っているのが本当にかわいいのですが、ひょいっとヒルディを姫抱きしてもぶれない長野くんの土台としての力強さを感じて、胸がキュン...っとなったりして。

そしてこのシーンでは散々WSで問題になっていた、おっきなぬいぐるみを抱きしめるゲイビーのシーンが...!
両サイドのオジーとチップは、首に花輪をぶら下げて小さな人形と旗を持ってるし!
かわいすぎの限界突破です!
更に、このシーンでのダンスは本当に激しくて。
昔のミュージカルでよくあるような、ジャンプして空中で空気を蹴る振りが、シーンの最後にチップとオジーには3連続くらいであったのですが、散々動きまわった最後でありながらも、アンサンブルの方たちと同じクオリティで踊るのを見て、トニセンのダンススキルの高さをまじまじと感じました。

二幕へ続く