すもももももも

新規ブイオタが取り留めもなく語りたいことを語るブログ。

Broadway Musical 『ON THE TOWN』 -第2幕- ※ネタバレ

幕が再び開くと、そこはナイトクラブでした。
中央の階段の奥から、シルバーとレッドとブルーのキラキラとした衣装に身を包んだ5人のショーガールが踊っているのが、本当に可愛くて...!
このクラブでオジーが赤のドレスをまとった人形を購入してゲイビーへプレゼントするのですが、これが前振りだと気付いたのは3回目の観劇でした。

「今夜、女とデートをするはずだったのに、女にフラレてしまって、死にたい気分さ〜♪」
と歌い上げる歌手に徐々に小さくなるゲイビーと、
それを察知してすこ~しずつ、ゆっくりとゲイビーの方へ振り向いて、一生懸命はげまそうとするチップ達が可愛くて可愛くて。
ゲイビーにはかわいそうと思いつつも、このシーンでは思わず笑いを抑えられませんでした(笑)
やってきたピットキンが気まずくて、対応するクレアの後ろで小さくなっているオジーも含めて!

更に、移動したスパニッシュなコンガカバーナでも再度同じ目にあって、ちっちゃくなくゲイビーが愛おしくて(笑)
コンガカバーナではオジーが押し付けたスカーフを自ら頭から被ってどんどん小さくなるものだから、愛おしさがとまりませんでした。
キーホルダーに合ったら、このちっちゃくなったゲイビーを毎日励ましたいくらいです。
そんなゲイビーを励まそうと、ステージに立って歌い始めるヒルディとそれに乗っかるチップ達が4人の優しさを表していて、ほっこりします。
一方で、歌声は圧巻だし、ダンスは可愛いしで感情は大混乱。
オジーが歌っている後ろでは、ヒルディ、チップ、クレアが音に会わせて左右の肩を上下させていて。
クレアが歌っている後ろでは、ヒルディ、オジー、チップがマラカスを音に合わせて振っていて。
終いには、チップはゲイビーの右膝に乗って応援するんです。
それを嬉しそうに受け止めるゲイビー含めてまるっとみんな可愛いかったです!

 

スラム・バン・ブルースでのシーンでは、泥酔したゲイビー達から始まるのですが、ヒルディの隣で目をつむっているチップが美人で戦慄しました...。
あの人、本当に生きている人間なのか何回か疑ったほど。
ゲイビーがコニーアイランドへ飛び出していったのち、マダム・ディリーにチップが行き先を聞いた時、ゲイビーと勘違いしたマダムが「白い?!」って発言したのは忘れられません(笑)
そして、チップがヒルディに別れを告げてほっぺにキスをした後にゲイビーを追いかけようとした時、ヒルディに足を引っ掛けられてすっ転んだチップが唖然としているのが、芝居でしょうがリアリティがあって。
すっころんだチップの正面に正座して、チップの両手をにぎにぎしているヒルディもかわいくて...!
ご察しの通り、部屋のシーンからチップとヒルディのカップルにめろめろになってしまった私は、事細かにずっっっっっと2人の動きを追っていました。

そしてピットキンの歌。
これはもう一言「ずるい」としか言いようがないです!
たった一曲なのに、歌詞の内容は常識とずれていてツッコミしかないし、なのにものすごい歌唱力で。
更にピットキン役の青山さんが面白おかしく歌うし動くんですもん。
無駄に力の入った「ペロ!ペロ!キャンディー!」とかいい例です。
全てをかっさらっていくピットキン、凄すぎです。


間近で見た時、ここが一番感動しました。
足元に青のライトがあるため、スモークが焚かれてこのライトが光ると、目の前が一瞬に真っ青になるのです。
その真っ青な煙の奥で、暗闇の中からぼんやりとやってくる電車のセット。
この時、今まで溺れていたON THE TOWNの世界に、脳天から足先、手先、そして髪の一本一本の全てが、隅から隅まで塗り尽くされたのでした。

コニーアイランドへ向かう地下鉄の車内で赤のドレスに身をまとったアイビィの夢を見るゲイビー。
そう、とうとうあの話題の「上半身が全裸(?)」のダンスシーンです!
この赤いドレスに身にまとったアイビィは、それまでずっとゲイビーが握りしめていた、ナイトクラブで購入した人形が元になっているんですね。
それに気がつくまでなかなか時間がかかりました(苦笑)
蝶のように軽やかに舞い踊り、ゲイビーを誘惑するアイビィはとても美しくて。
夢の中なのだから幸せな夢を見ればいいのに、とことんアイビィへの道筋を妨害され、翻弄されるゲイビーがそこにはいました。
そして問題の、上裸シーンへ...。
舞台袖でそっと上着を脱ぎ捨て、髪をかきあげる坂本くんはものすごい男の色気を発していました。
腰の可動域は凄いわ、胸筋や背筋、二の腕の筋肉は凄いわ、肋の間の肉が良く見えるわ...
腰を動かす度にズボンの上に出る肉が本当に少なくて、これが40代の肉体だとは到底信じられませんでした。
そして、下着姿のアイビィの細さとスタイルの良さがこれまた非常に美しくて。
特に、まっしろのスポットを浴びた中での、最もアイビィと接触したダンスシーン。
あまりに美しい画に、芸術作品のように感じられて。
その後、アイビィとの間を阻まれて、黒服の男たちに舞台中央手前側へ追いやられた後、アイビィがゲイビーへ手を伸ばす時。
本当にその真後ろから見ることができて、アイビィの妖艶さに脳が麻薬をやったかのようにふわふわと引きつけられました。

一転して、ゲイビーを追っかけるチップ達のシーン。
もうお別れの時間が迫ってきていることに気がついて、別れを惜しむそれぞれのカップルが切なくて。
ここはひたすらチップとヒルディの切なさ一杯のカップルから目が離せませんでした。
隣に座ったチップとヒルディは、優しく微笑み合って、目を合わせてから恋人つなぎをして、お互い頭を寄せあって瞳を閉じて。
席を立ったら壁際で向い合って手をつなぎあって、そしてチップは片手は壁に、もう片手はヒルディの腕を撫で、ヒルディはチップの頬を撫でてて。
最後、チップがヒルディの後ろへ回ってヒルディの肩にぐるっと腕を回して抱きしめていて。
そして4人で綺麗なハーモニーで歌い上げる言葉は
「また、いつか。」
舞台が終盤に向かっていることにおける、観客とステージの関係性をも歌っているようで。
切なくて、暖かくて、愛おしくて。
自然と溢れでた涙は、オン・ザ・タウンのカンパニーと一つ公演を終える毎に、本当のお別れと近づいているのを感じたからだと思います。

本当のコニーアイランドで、アラビアンなセクシー衣装で歌い踊るアイビィ達ダンサー。
とても妖艶で美しいし、ハンカチを口でつかもうとするなんて、こんなえろすぎな出し物をやらされるアイビィの辛さを思っては切なくなって。
その一方で、警官に捕まって、一人づつ整列させられるチップ、ゲイビー、ヒルディがピシっとなっていて可愛くて。
でも、一日で恋した相手と別れを言えないかもしれないという現実は切なくて。
無理やり強制送還され、引き離された恋仲。
差し迫るこの物語の終わり。
これらが重なって、しくしくと胸が締め付けられる思いでした。

 

ラストシーン。

船の前まで連れて来られたゲイビー、チップ、オジー。
「もうすぐ、夜が明ける。」
つまり、私達とON THE TOWNの世界ももうすぐ終わり。
しんみり、切なさを感じる夜明け前。
そこへ駆け込んできた華やかな彩りが水兵3人組の元へ飛び込む。
特に、チップとヒルディのペアは抱きしめた後にくるくると回っているのが可愛くて。
愛おしくて。

「分かってくれた! あのピットキンが!!」

恋に落ちた2人の間に隔たるものなど無いのだと感じたこの瞬間。
脳天から腰にかけてしびれる背筋。
そして鳴る汽笛と共に24時間のタイムリミットがやってきた。
船へ帰っていくゲイビー達の変わりに別の水兵達が船から降りてくる。
そして、彼らのNYでの24時間が始まる。

街中全ての人達が歌い上げる「New York, New York」
その奥で再び抱き合うカップル達。

キャスト全員の素晴らしい、圧巻の全員の歌声に鳥肌が立ちまくりで。


フィナーレを迎えたON THE TOWNは「最高!」!!!
それ以上の言葉がありません!!