すもももももも

新規ブイオタが取り留めもなく語りたいことを語るブログ。

Broadway Musical 『ON THE TOWN』 -閉幕-

今回のON THE TOWNで、初めて生で見たトニセン。
アイドルとの座席の近さを気にするタイプではありませんでしたが、今までゴマ粒、米粒の距離感でアイドルと接していた為に劇場での距離は初めてだったので、この距離感はどうしたらよいものかと動揺していた部分もありました。
否が応でも、偶像との物理的な距離感が近すぎる、という。
でも、そんなのはただの杞憂でした。
ステージ上のキャストの肌の質感、首筋に輝く汗、しなやかに動く筋肉が見え、
足音、布の擦れる音、マイクに入らない小さな声まで聞こえてくる距離。
等身大のミュージカルをそのままダイレクトに感じました。
間近で見る演者のエネルギー、パワーが怒涛のように押し寄せ、巻き込まれ、飲まれる感覚。
こんな経験をしたのは初めてでした。

その中でステージの中央て輝くトニセンは、沢山のことを乗り越えてきた大人の格好いい男性でした。
ものすごいスキルを持ったグループなんだと、この肌で直接感じました。

井ノ原くんは、いつもテレビを通してみるよりも薄くてペラペラで。
こんなに薄い体で今までの沢山のことを乗り越えてきたのが信じられない程。
そして、その薄いからだから発される歌声。
正直に言うと、井ノ原くんの魂を削るようなミュージシャン的な歌声で、伸びやかに物語を紡ぐ必要のあるミュージカル向きではない歌声だと思っていました。
はやり、ミュージシャン的な歌い方はしていましたが、Vの曲を歌う時とは違う、感情をふんだんに盛り込んだ歌声。
井ノ原くんの表現力の豊かさに驚かされました。
それは台詞の発し方にも現れていて。
ON THE TOWNの劇中で最も笑いが起きる、クレアとオジーの出会いのシーンにおいて、観客に自然と笑いを生じさせていて、台詞の言い回しや間がとても上手な方なのだなぁ、と感動しました。。
そして、カーテンコールでは毎回おふざけをしていて。
その一方で、手を振りながら会場を誰よりもじっくりと見回していて。
エンターテイナーとしての心遣いに胸が暖かくなりました。

長野くんは、なんだかとても不思議でした。
初めて生で見た自担は、やはりその自慢のお尻のぷりぷりさに目が離せなかったです。
しかし、最前列で実寸大の長野くんをまじまじと感じると、とても細くて、足が長くて、お尻もそこまで大きくなくとてもステキなラインを描いているように感じました。
そして、察しました。比較対象がおかしいのだと(笑)
また、信じられない美形なんだ、とも。
よく「生の長野くんは格好良すぎる...!」という話を長野担以外の方からも耳にしていましたが、本当にその通りで。
改めて末恐ろしい人を自担にしてしまった、と。
その魅力に気付いてしまって、もう抜け出せないことを自覚しました。
加えて、チップはとても表情豊かで、コロコロ変わる顔と舞台上でよく長野くんがしていたアヒル口、更には切ない表情は天下一品で。
そのめくるめく変わる表情に、毎度心を掴まされていました。
そして、長野くんの歌声。
本場のミュージカルの方々に囲まれると、どうしても伸びや圧は足りない印象を受けてしまう。
しかも、不調と絶好調の日の差がはっきりしていて、不調の日は歌声の掠れ具合に。ハンカチを握りしめてヒヤヒヤする程。
でも、絶好調の長野くんの歌声を聞いた時。
ハニーボイスを高らかを劇場に高らかに響かせているその歌声を聞いた時。
その甘くやわらかな歌声に、心の臓の更に奥深く、体の中心の奥底がじんわりと暖かくなり、そして感動に震えたのです。
この感動は、忘れられないだろうとおもいます。

坂本くんは、一目見た時から足の長さ、腰の位置の凄さと頭の小ささに驚きを隠せませんでした。
同じ人間として信じられないスタイルを誇る坂本くん。
それは例のくねくねダンスシーンでの、上半身全裸においても。
かねてからone dishでどんどん胸筋が大きくなってるなーと思ってはいましたが、まさかあそこまでとは!
それだけでなく、腕や背中の筋肉もがっちりとしていて。
今思えば、少しでも見栄えする肉体を作ろうとした坂本くんのその舞台に対する真摯さやかける情熱に胸が熱くなります。
そして、やはりVきっての、ジャニーズきってのミュージカルスターの実力は想像以上のもので。
表現力の豊かさ、歌の伸び、圧。
本当に、会場中の観客の心を痺れさせる歌い方に完敗でした。
また、一人で舞台奥からスポットを浴びて、高らかに唄い上げながらアンサンブルの方々の間を通り、舞台手前まで歩く坂本くんを見て、この人はスポットを浴びて立つのがこれほどまで似合うものか、と感動しました。
とても楽しそうに歌う姿。
本当に、坂本くんはミュージカルが大好きなのだなと。
坂本くんを通して、より一層ミュージカルが大好きになりました。

これほどまで、トニセンが演じるのに合っているミュージカルなんて存在するのでしょうか。
個々のキャラクターに合っているだけでなく、トニセンとしての絆がこれほどまでに作品に合っている舞台は早々無いと思います。

 

気づくと、私の中で「ON THE TOWN」というミュージカルはとても大きなものになっていました。
当初はもちろん、「トニセンが10年ぶりに同じステージに立つ」という希少さと、ファンになって初めての自担の現場という目的でした。
けども、知れば知るほど。
行けば行くほどに。
50年前のミュージカルであるのに、未だに色あせることのないバーンスタインの華やかな楽曲の数々。
彩り豊かなに奏でる、東京フィルハーモニーの音色。
世界観を作り上げるステージセットや照明、スモーク。
様々なキャラクターに止まること無く変わりながら、しなやかな肉体と素晴らしい歌唱力で舞台を華やかにしたアンサンブルの方々。
個性的なくしゃみをするルーシーを演じた高谷さん。
インパクトのあるキャラクターで強烈な個性のマダム・ディリーを演じた伊藤さん。
たった一曲ですべてを持っていく、ずるい役どころのピットキンを演じた青山さん。
肉食系女子でぐいぐい引っ張っていく、パワフルな仲間思いのヒルディを演じたシルビアさん。
学者でありながら一度たがが外れてしまうと、手に負えなくなってしまう自由なクレアを演じた樹里さん。
高貴で手の届かないイメージだった、ミスサブウェイに選出されたアイビィ・スミスを演じた真飛さん。
そして、オジー、チップ、ゲイビーを演じた井ノ原くん、長野くん、坂本くん。

「ON THE TOWN カンパニー」の全てが大好きで愛おしいです。
大千秋楽を大阪で迎えた今、気持ちはスタオベで腕が引きちぎれそうなほど拍手を送っています。
無事に全公演を終了し、本当にお疲れ様でした!

 

また、短い期間ではありましたが、4回通った青山劇場はとてもステキで。
入り口のネオン、大きなシャンデリア、ふかふかの床に地下の廊下の赤い椅子、タイル貼りの壁のロビー。
それだけでなく、沢山の人を優しく受け止め、迎え、色あせた座椅子。
沢山の非日常の世界への幕開けと終わりを演じてきた、ワインレッドの緞帳。
そして、沢山の演者の汗が染み付いた、沢山の物語を紡いできた舞台。
この素晴らしい青山劇場が閉館することの辛さは、私にとって想像以上のものです。
前の方の席で観劇させて頂いて、スタンディングオーベーションとなった客席を振り向いて見た時!
もう、圧巻の一言です。

私は過去のトニセンが青山劇場の舞台で踊り、演じている姿を見たことはありません。けれども、3人がON THE TOWNを演じているその後ろに、感じられるトニセンと青山劇場の歩みに涙腺がツンと刺激されました。
もう二度と、主演として名前を掲げて青山劇場に立つことはないでしょう。
それは、今まで沢山の舞台を上演なさってきた役者の方々にとっても。
何故、こんなにステキな素晴らしい劇場を閉館させてしまうのか、悔しくてたまりませんが、これが時代の流れというものなのでしょうか。
それでも、最後に、このようなステキな舞台で青山劇場を感じれたことがとても嬉しいです。
本当に、ありがとうございました!!

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大千秋楽を迎えた「ON THE TOWN」と閉館が決まっている青山劇場に。
座長のステキな言葉の一部を拝借いたします。

「また、いつか。」

 

 

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